季節の訪れ

田舎と、都会のおいしさの違い(筍)   01.04.03

味の嗜好や、季節の楽しみ方は、人それぞれだと思いますし
都会の人が全て同じような嗜好でないのも解ってはいるのですが、
つい都会の人は、という風にひとまとめにしたくなってしまうのは、
おそらく私が田舎者だからなのです。失礼をお許しください。

その都会の人が、おいしい、おいしいと食べているものの内で、
どうしても納得がいかないと感じるものが、いくつもあります。
筍(皮つき)
まず、その一つ目は筍です。
筍自体は、私も好きなもののひとつですが、
料理番組で紹介されたり、外食のときに和食の定食に入っている筍。
そのうちで、赤いねっこのぽつぽつがある部分と、
ほとんど竹といえるような、あの硬い筍、私にとって、
あれは本当に困ってしまいます。歯ごたえがほとんど竹なのです。
だされたものは、一応、全部いただくようにはしてますが。

この歯ごたえがたまらないといって、おいしそうに食べている
旅番組なんかをよく見かけたりしますが、
私の感覚では、あれは筍ではなくて、竹だと思ってしまいます。
「たべる部分ではないのに。」と、つい口走ってしまいます。

商品として出荷される筍は、小ぶりで形がよく、
いかにも筍という感じでないと売れないそうです。
でも、そういう筍は、硬いのです。
そういえば、売っている加工品の筍も、みんな硬いですが、
どうして、そんな小ぶりな筍が好まれているのか理解できません。
流通業者が悪いのか、嗜好が違うのか、本当に不思議です。
一つには、掘ってからすぐにゆでることができないから
仕方なく、硬くなってしまっているのかも知れませんが・・・。

孟宗竹の太さが、直径20センチぐらいで長さが30〜40センチの
皮の先がまだ土に埋もれていて黄色いやつ、
これが、見た目は、ごついけど、中身は本当にやわらかくて
本当においしいのに、大きすぎて売れないのだそうです。
筍の皮
私が小さいときから食べているのは、そんなやわらかそうな
筍の、先の方のやわらかい部分です。
皮は、硬いので、先まで全部むいてしまいます。
もちろん赤いぽつぽつのある部分は、かたいのでたべません。
「筍は、お湯を沸かしてから、堀りに行け」と言うぐらいに、
掘ったらすぐに米ぬかでゆでないと、硬くなってしまいます。

あくをぬいて、かつお節のだしで煮るとやわらかくて本当においしい。
木の芽あえもいいですね。
やっぱり、そんな筍は、希少価値が高く、贅沢なんでしょうか。
でも売れません。それとも嗜好の違いなんでしょうか。
都会の人は、そんな筍のおいしさを知らないのではないかと
思ってしまいます。
ですから筍は、旬を楽しむもので、それほどおいしいものではないと
思われているからこそ、形で選んでしまうのかも知れません。
筍ボーイ
筍(竹)は、本当に速くのびて葉を茂らせますので、
植林した山に生えると、木が負けて枯れてしまいます。
ですから、竹やぶが隣にある林では、筍が生えてきたら全部掘って
しまいます。昔は、たくさん掘って塩漬けにしていましたが、
今では食べきれない分や、大きく伸びた筍は、切り倒してしまいます。
形が悪いと売ってもただ同然ですから。それに、
本当に短時間で伸びてしまいますので、(一晩で数十センチ)
仕方ありません。
だからといって、よその筍をとって来たらそれは、泥棒ですけどね。

まあそんな筍ですから、贅沢にやわらかい部分だけ食べるように
なっています。竹やぶのない家には、もったいないはなしです。

おいしくても捨てられてしまうものもあります。
こういう話は、他にもたくさんあるようなきがします。

そんなもったいないことも、おいしさの違い(誤解?)も、
いつも価値観の違いから生まれてきます。
そういうものを一度試してみると、世界が変わるかもしれません。

そんなおいしい筍が、今年もそろそろ出てきます。
また、都会の人はかわいそうだなあと、勝手に思いながら
やわらかい筍を食べる季節がやってきます。
筍(皮むき)


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