農業を知ろう

サプリメントと化学肥料    01.04.04

最近、働く若い女性の間で、サプリメントが大人気というのを
新聞や雑誌でよく見かけます。

その中身は、というと、食事だけでは不足しがちな栄養素を
手軽に、必要な時に、必要な量だけ補給できて、大変便利。
元気で健康になれるので手放せない。という感じです。

そんなサプリメントは、天然由来の成分が多いようですが、
目的や使い方は、農業で使う化学肥料と大変よく似ています。
農産物に対して不足する栄養素を、直接与えるのが化学肥料です。
野菜が元気によく育ちます。見違えるほどです。

農業の場では、化学肥料は大変重要ですが
なぜか最近、サプリメントとは対照的に、嫌われている感じです。
サプリメントが、嫌いな人も、たくさんいるとは思いますが。

そんな方には、農業で言うと、今流行の、有機農産物です。
JAS認定の有機農産物は、どこまで支持を得るのでしょうか。

ところで、
なぜ、化学肥料は嫌われているのでしょうか。

普通、農産物を、同じ畑で何回もつくれば、畑の土は、
栄養分をなくしてしまいますから、補給しなくてはなりません。
これは、農地の宿命です。
そこで肥料を与えたり、畑を休ませたりするのですが、

化学肥料を使う場合は、
直接必要な無機の栄養成分を与えるので、野菜には、ききますが、
自然の土の状態とは違ってきます。
それに、あまった、栄養素が、流れ出してしまうこともあります。
嫌われるのは、
そんな環境面と、化学という文字アレルギーでしょうか?
実際には、農業者にとって土は命ですから、もちろん有機肥料も
混ぜて使うのはずですから、まあ、それなりの感じでしょう。

有機肥料の場合は、いろいろなものが混ざっていますが、
微生物が有機物を分解して、必要な無機の栄養素を作ります。
そこには、必要な栄養素以外のいろいろなものが混ざっていて
それが、自然の土に近くなるということです。
少しでも自然に近い状態が、やはり良いということです。
でも、有機肥料だけで、
必要なときに必要な量の栄養素を与えるのは、大変なことです。

これは、食事だけで本当に必要な栄養素を全てとることが、無理で、
必要なときに必要なサプリメントを使うのとよく似ています。

本来、農地を自然の状態に戻すには、元に戻るまで畑を休ませる
ということですが、狭い日本の国土では、
なかなかそんなこともできません。
だからといって外国産に頼るのも、どうでしょう。

この他にも、
人に例えると、サプリメントだけで、育てる方法があります。
無機農産物です。
水耕栽培で、無機の栄養素だけ与え、土や有機物を使いません。
農業の工場化というんでしょうか。安定生産できそうです。

働く若い女性にとっての、食事と、サプリメントの関係。
これを、有機肥料と、化学肥料の関係に置き換えてみて、

人それぞれの、価値観で、農産物を選びたいものです。

個人的には、生産者の皆さんもいろいろなことを考えて一生懸命
作って見えるのでしょうから、安くておいしければ、何でも良いのですが、
その、安くておいしいというのが難しいのでしょうね、きっと。


戻る目次